囲碁の会は毎月1回、第3水曜日に広島市中区の銀山町囲碁サロンで例会を楽しんでいる。だが、メンバーが少しずつ減り、現在は6人だけとなった。
囲碁は、不思議なファン層を形成している。20〜30年前、サラリーマンの世界では「酒」「ゴルフ」に次ぐコミュニケーションツールとして人気を保っていた。私の所属していた中国放送でも、420人余りの社員で100人ぐらいのゴルフ部員につぎ、囲碁部員が80人ほどいた。
女性部員はいなかったので、男子社員でみると3.5人に1人は囲碁愛好者ということになる。だから、現在の70〜80歳の高齢世代に囲碁ファンは多い。
一方40〜50代の現役世代の囲碁人口は圧倒的に少ない。パソコン台頭の時代にあたる世代だ。いま、社内に囲碁部すらない。だが逆に、20〜30代には囲碁愛好者は多い。アニメ漫画「ヒカルの碁」に魅せられた世代だ。囲碁について世代別にみるとこのように分析できる。
余談だが、現役当時「ミスターRCC」の称号で親しまれた故林健氏(現・松井広島市長の伯父)は、稀代の遊び人であった。だれも「林さん」と呼ばない。先輩も後輩も社内では「ケンさん」で通した。酒、ゴルフ、麻雀はもとより囲碁もかなりの実力であった。後年、糖尿を患って酒もゴルフもままならなくなったケンさんだが、銀山町の囲碁サロンには顔を見せ、「碁をやっとってよかった。今はこれしかない」とつぶやかれた。その姿を忘れない。
その囲碁の会もだんだん参加者が減り、さびしい例会となっている。あらゆる機会に申し上げているが、中国民放クラブ所属の各地の会員の中には、囲碁を忘れていない方、あるいは楽しんでいる方は、きっとおられるに違いない。その地域の囲碁愛好家の方々との親善交流が実現できれば、いま少しは、囲碁の会の裾野が広がるのではないか思う。
浅井昭秋(RCC)
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